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小西 哲之
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.1103 - 1107, 2001/11
被引用回数:6 パーセンタイル:44.06(Nuclear Science & Technology)核融合炉の電力以外の多目的利用について検討した。核分裂炉と異なり、ブランケットがプラズマと独立に設計できることから、ブランケット構造材にODSフェライト鋼を使用することで超臨界水や過熱水蒸気などの一般の工業熱源に多く使われる400~500度のプロセススチームが発生でき、各種化学工業への利用が考えられる。ことに温室効果ガスの低減が地球環境問題から重視されており、将来のエネルギー需給においては分散電源や水素など合成燃料の比率が高まると想定されているため、核融合炉はこのような社会では水素製造により、燃料電池などの分散電源や輸送用燃料の供給に寄与することが重要と考えられる。核融合は、多目的熱利用により送配電網の完備していない社会へも導入が可能であり、核拡散抵抗性を生かして発展途上国での利用可能性がある。